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二話 晴れない気持ちと国王陛下の生誕祭

ผู้เขียน: Tubling
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-21 09:14:08

 あれから、どうにも落ち着かない自分の気持ちを整理する為に毎日夢中で剣を振り続けたけれど、何となく調子が良くない気がして、剣にもそれが影響している感じがする。

 どんどん気分が落ち込んでいく感じがするので、なんとか気持ちを切り替えなければ。

 そうだ、一カ月後の国王陛下の生誕祭後に隣国との共同軍事演習がある。

 その遠征に参加しよう。遠征には20日ほど城を留守にするので閣下に会う事もないし、違う土地や環境に身を置けば考えも切り替わるはず。

 善は急げと思い、すぐに申請したのだった。

 お父様にはとても驚かれ、その日に了承はしてくださらなかったけど、国王陛下の生誕祭が終わった後に決めると仰ってくださった。

 生誕祭は国王陛下がお生まれになった誕生日にあたる日に王宮では祝賀パーティーが開かれ、国をあげて祝福ムードに包まれる日だ。

 お父様もその準備に追われ、忙しいのだろう。

 普段なら夜会の類は出席しない私でも、このイベントには出席しないわけにはいかない。

 それが終わったら……騎士として遠征に行けるかもしれない。

 いつもはそういった類のものはお母様の反対もあって行かせてもらえないのだけど、私ももう21歳だし許可してもいいと思い始めてくれたのなら嬉しい事だ。

 生誕祭も夜会服は嫌いだから騎士団の服を着て王宮の警護にでもあたろうかなと思っていたのに、お母様にひと際煌びやかなドレスを用意されて泣きつかれたので、着ないわけにはいかなくなってしまうのだった。

 ~・~・~・~・~

 お母様が用意してくださったドレスは薄い水色のグラデーションカラーで、背の高い私でも似合うようなマーメイド型のドレスライン……腕の部分はオフショルダーになっていて、ロンググローブと併せるととても大人っぽい雰囲気にしてくれる。

 極力ビジューはおさえていて、派手になりすぎないように配慮されているかのようなドレスだった。

 ほとんどドレスを着る事のない私にとって、自分の為に用意されたかのようなドレスに気持ちが上がっていくのが分かる。

 私にも女性らしく着飾って喜ぶ日がくるなんて思わなかった。

 これなら閣下も子供枠には入れないはず…………そんな事を思ったところで我に返る。

 子供枠に入れられたっていいじゃない、あの人が誰と何をしていても関係ないし、どう思われていようと気にする必要はない。

 結局あの後から閣下がオーランドルフ城を訪ねて来る事はなかったし、顔を合わせていない。

 このまま閣下が辺境伯領に来なければ私は遠征に出て関わり合う事もなくなっていくのだから……と思考が乱されそうになるのを誤魔化しながら、この日はお兄様にエスコートされて馬車に乗り込み、祝賀パーティーに出発するのだった。

 私に負けじと劣らず異性と縁がないお兄様は、26歳にもなってまだ婚約者がいない状況にも関わらず、本人もお父様が健在だからか全く急いでいない様子なので、夜会に行く時は私をパートナーとして出席している事が多い。

 兄妹揃ってのんびりしている私たちをお母様はヤキモキしながら見ているに違いない。

 今日のドレスにもお母様の気合を感じるのは気のせいだろうか。

 王宮に着くと祝賀パーティーが行われるホールに案内され、そこにはすでに沢山の貴族達が集まっていた。

 その中にひと際大きな人だかりが出来ているところがあって、私が何かと思っているとお兄様が「アルフレッドだよ」と説明してくれた。

 「このような場所で初めて見ましたけど、こんなに人気のあるお方なのですね……」

 「凄いだろ?本人はあまり人に囲まれるのが好きじゃないから夜会の類にはほとんど出席しないんだけど、今日はさすがに来ないわけにはいかないからね」

 人に囲まれるのが好きじゃない?あんなに人との距離感が近くて囲まれるのが好きじゃないというのは、どういう事なのだろう。

 それにしても本当に人気があるのね、少しも近寄る事が出来ない。

 これだけ人気があるのだもの、そりゃ私なんてお子様枠よね。

 この中に閣下と距離が近い方がいるのだろうか、と考えるとまたモヤがかかる感じがしたので思考を変えようと辺りを見回す。

 何気なく周りを見回していたのに、ちょっとした隙間から閣下と目が合ってしまい、周りの女性達の視線が怖いので思わず目を逸らしてしまうのだった。

 バレてない、わよね?

 何故だか私の方がイケナイ事をしてしまった気分になっていると、お兄様の友人と思われる人達が私達の元へやってきて談笑する事になった。

 「リヒャルトの妹君?初めまして、私は――――」

 「抜け駆けするなよ、初めまして――」

 次々と自己紹介をされて面を食らっていると、お兄様が助け舟を出してくれる。

 「おいおい、シャルロッテがびっくりしているだろ」

 「だってリヒャルトがなかなか紹介してくれないから……」

 なんだか雲行きが怪しくなってきたので、ここは平和に話を進めなければと私から自己紹介をする事にした。

 「申し訳ございません、驚いてしまって。お初にお目にかかります、妹のシャルロッテ・オーランドルフと申します。いつもお兄様と仲良くしてくださって、ありがとうございます」

 

 いつもなら騎士としてビシッと敬礼をしながら自己紹介をするところだけど、今日は夜会という事もあり、淑女としてカーテシーをしながら何とか笑顔を作って挨拶した…………つもりだったんだけど、大丈夫かしら。

 お兄様の方を見ると、なんだか笑いをこらえている感じだわ……せっかく淑女としての挨拶をキメてみたのに。

 私が不満げな顔でお兄様の方を見ていると、お兄様のご友人方から次々とダンスの誘いを受ける事になったのだった。

 「私と一曲ダンスを踊っていただけないでしょうか?」

 「いや、私と――――」

 あまりに性急なお誘いに驚きつつも、私とダンスを踊りたいと言ってくださる方に失礼がないように「じゃあ、お一人ずつ一曲なら」と提案したのだった。

 こんな大勢がいる場で揉めるわけにはいかないし、だからといってダラダラ踊るのも嫌なので、それが最善だと思われた。

 「大丈夫か?無理しなくていいんだぞ」

 「お兄様が心配なさるなんて、雨でも降りそうですね。大丈夫です、体力には自信がありますし」

 「そういう問題じゃ……とにかく何かあればすぐに戻ってくるように」

 「?……分かりました」

 

 何かあれば、というのはどういう意味だろう?

 少し疑問に思いながらも早くダンスを終わらせてしまいたくて、ご友人の一人とダンスフロアに行く事にしたのだった。

 辺りを見回してみたけどダンスフロアにはまだ閣下はいないようね……その事実にホッとしている自分がいる。

 彼が誰と踊っていても私には関係ない。

 なるべく目の前の男性に集中しよう、それが礼儀というものだと自分に言い聞かせ、ダンスの為に向き合った。

 お兄様のご友人の一人である目の前の男性は伯爵令息のシュヴァリエ卿で、銀色の髪を後ろに流していて、ヒールを履いている私よりも背が高く、踊りも上手で楽しく踊る事が出来た。

 私達が踊り始めるとホールがざわついたような気がしたけれど、そんな事も気にならないくらい、踊るのは楽しかった。

 やっぱり体を動かすのは楽しい。

 つい気持ち良くなって、大胆に踊っている自分がいる。

 シュヴァリエ卿のリードも上手で、この方は我がオーランドルフ騎士団にスカウトしたいくらい身のこなしがスマートだから、きっと日頃から体を鍛えているに違いないと感じた。

 一曲だけという約束だったので終わろうとすると「もう一曲いかがですか?とても楽しい時間でしたので」と誘われてしまう。

 一人一曲ずつと決めていたので断ろうとすると、シュヴァリエ卿の肩をトントンと叩く人影が見える。

 シュヴァリエ卿が振り向くと、そこにはカレフスキー公爵が見た事のないような笑顔で立っていたのだった。

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